ベイビー・スターダスト


星屑のひとつの気分はどんな感じ?
今日も今日とて朝も早よからこんな夜中まで、と嘆いたところでオノレの生計のためにやってる訳であって、何というかこういう言葉が出てくる事自体が非常にしょぼい。こんな話じゃなくってさあ、何かこうもっと楽しい話がしたいじゃんよ、コーラの瓶にフリスク入れて鼻で吸ったりさあ、それで噎せて泣いたりゲラゲラ笑ったりさあ、なるべくくだらない事で笑いながら生きてってさあ、そういうのがつまんねえ人生への一番の復讐だって思うんだけどさあ、ねえあんた聞いてんの。ていうかお前誰。
都心は嫌いだ、星が多過ぎて全体的にただただ眩しい。
さておき深夜に差し掛かってオフィスを出て、駐輪場に降りる。頭の悪そうな緑色の俺の自転車が、ガラガラになった駐輪場で目立つ。寒さなどこれからが本番といえど、夜半過ぎはそれなりに冷え込むし、ふと空を見上げると月がすごく明るくてむぐぅ、しかし月が明るいからといって俺は何だというところに落ち着く。向かいの公園からぶっ飛んできた枯葉をサクサク踏む。こないだまでは蝉が死んでたが色々早い。星が綺麗だなあ。みんなそのうち何となく死ぬのかなあ。リズムでそんな思考をだだ漏れさせつつ、兎も角俺はうっすらやさぐれている。俺などはちょっとぐらいやさぐれているのが妙に落ち着く。人には当たらんよ。ってこれ何アピール。俺こと西八王子のピエール。
大概ロクな事が無かったこんな日でも自転車は快適に西へ西へ300km、マイソウルタウン大阪までもう少し。という筈は無く、45分ペダル漕いで着くのは西八王子のマイルーム。つくづく世は理をクソ真面目に遵守するのでどうにもつまらないし、その現実にそぐうしかない俺、おれ、俺。でもオデ、この部屋は好きだ。すぐ寝るべきところを敢えて暫く白湯などを飲みつつぼんやりしてから寝る。Twitterしてた頃はその時間に無意味な言葉をよく吐いた。今は脳内で泳がすままにこんな感じだが、似た様な欲求はひとり充分満たしている。いつも最低な様なそうでもない様な気分。人には平静を装ってるけど、いつもぶっ飛んでるしとっくにいかれている。眠気がモザイクみたいに視界を覆って、なし崩し的に眠る日常。そんな合間に携帯を揺らす言葉。ハートに紐つけて。ハードに火をつけて。ただ春を待つ、寒い朝は冬眠して寝過ごす。真っ暗闇ですらない、好きだろうが嫌いだろうが星は勝手に地表を照らす。あの明かりは星屑のひとつ、あの娘の吐いた息とケムリ。服に臭いが移っちまって、今夜もどうやら寝れやしない。忘れようと努めたり、それで余計に念入りに焼き付けたり。ほらもう何言ってるか解らないでしょう。でも実際こんなもんです。何かもう色々解んねえ。世界中のかわいこちゃん、俺の遠くで泣いたり笑ったり大体良い感じなら、それだけでもう充分で。
こんな人生でもさあ、最後にくだらなかったなあ、意味解んなかったなあ、とか言いながら笑って死ぬ気がする。世界のそういうところがファックだし、そういうところでアイラブユーだ。オールユーニーズィズラブだ。ノンアルコールでこんな有様。何様神様。どうでもいいけど携帯は今のをボロッボロになるまで使う事にしたし、買わなきゃとずっと思ってる冬物の上着はまだ気に入ったのが見つからない。夜は更け、全く脈絡なく携帯が揺れる。言葉は断続しつつも心を振動し続ける、多分そのうち何となく死ぬまで。で、星屑のひとつの気分はどんな感じ?
言葉でいいなら幾らでも研ぎ澄まして送ろう。代わりに俺の欲望も食ってくれ。付け合せとしては悪くない筈だし。
以上全部意味なし。寧ろ意味は与えない。赤貝