Hometown

NIKKIを。
先週の金曜が祝日、明けて昨日の月曜が会社休だったので、4連休もあった。4日も社畜を演じずに済むのは是幸いなる哉、何となく帰省。実家の浜松へ。
浜松という街は中規模工業都市で、とにかくやたらに平地が多くて、家はそれなりにあるが背の高い建物は少ない。実家は新幹線の駅から近いが、海側へひたすら平地が続くこの地域は都市開発から外されていて、良く言えば閑静、悪く言えば何も無い地域。浜松自体が土地柄、名古屋の影響下にありつつも特に中庸で、これといった特徴のない地域らしい。確かにそう思う。街を歩いていてもいまいち面白く無い。まあ長く暮らしていて、凡そ知り尽くしているというのもある。それにしても、あちこち旅をしてその土地の特色をすぐに拾えるのは、こういう没個性の中規模都市に育ったからかな、と思う位、特に何も無い、という表現がぴったりの、薄味の街。
それでもたまには散歩でもしてみるか、と出かけたら、寂れた旧街道の一角にちょっとだけ車が混み合っている。どうやら寺で何か祭の様な事をやっているみたいなので、行ってみる。と、視界にこんなものが。

うおお。これは好物、とばかりに中へ。どうやら達磨祭とやらで、年に一度達磨を奉納しているらしい。時期的には受験なんかと絡んでいるらしく、そんな感じの親子連れがいる。10件くらいか、達磨を売る出店が出ていて、そんな大掛かりな祭りではないが、なかなか楽しい。

本堂の左右、屋根の上には巨大達磨。これはどうやら普段からあるらしい。なかなかの珍寺ではないか。造形も味わい深い。しかし「こだわるな」というメッセージには心が引っかかる。確かに、心の平安と人生の安寧を得るには、時にそうなのかも知れん。しかしこだわりを失ったら、日々の深みを丸ごと失ってしまう気がする。こだわりは面倒を産むが、なかなか得難い輝煌を見せてくれるのもまた然り。俺は俺のどうでもいいこだわりにこだわる。他人にしたら心底どうでもいい事だろうけど、そこに注力し続ける事がアイデン&ティティでありレゾン&デートルであり、ロキン&ロールであると信じている。ほらもう何言ってるか解らないでしょう。兎も角も、この言葉は”時に休めよ”という意味に捉えておこう。達磨師匠、まだ休む程動いておらんのです、あっしは。そんなどうでもいい事を思いつつ、バナナチョコレートの甘すぎる匂いに巻かれながら、たまには地元を探してみるのも面白いもんだ、と思った次第。

心ひらひら、手を解いたら飛んでいった。赤貝



↓スライドショウに他の写真もupしました。
http://www.flickr.com/photos/akagaitamori/sets/72157625981573552/show/