ナイトクルージング


ぼっちぼち忙しくなってきおった。ファック。
今日などは東京の西の方は小雨に見舞われ、自転車通勤であるところの俺にしたら濡れる濡れないもあるが、それよりまず寒い。寒い寒い寒い。大事な事だから何度も言っておく。寒い。
段々暖まってきた。窓の外は真っ暗で、天井を打つ雨の音だけがしている。最近フィッシュマンズはあまり聴いてない。今それを聴く事は、何だか固まり掛けた瘡蓋を剥がす様に感じる。と気取ってみたとこで、何となく聴きたくないだけ。俺は大体が何となくだし、俺の言葉はそもそもそんなに意味を持たない。あじゃらかもくれん、てけれっつのぱあ。アッパンダン、アッパンダン、スロウファス、スロウファス。
心は常にマーブル模様で、善意や悪意や優しさや厳しさや愛情や劣情が区別なく混濁している。俺は意図してそこをかき混ぜている節もある。要素が何であるかをある程度見据えた上で、それら心の内容物を安直に切り分けて振舞う様な事を、特に大事な人間に対してはしたくないという、よく解らん曲がり方をした気持ちがある。どうでもいい場面では、基本色セットの8色で、解りやすく塗り分けましょう。はい、赤いですね、青いですね。しかし本音の自分に立ち返ったとき、喜怒哀楽のパレットには仕切りなどなく、寧ろ常に入り混じっていて切り分け出来ない色で満たされている。大事に思う人には、それをそのまま見せてみたい、と思う事がある。自分自身も、はっきり切り分け出来ない感情を、君ならどう思う、と。そこに接点の快感と、相違点の興味があればいいなと思う。ほらもう何言ってるか解らないでしょう。君には何色に見えますかコレ。
さて今日も今日とて眠い目擦って徒手空拳にペンをとったり、仰向けに天井眺めて言葉を捏ねてみたり、明日も早いしさっさと寝ればよいものを。窓は開けておくが、雨音しか聞こえない。
赤貝