674


茜の空がまるで、お部屋を血に染めるのよ。
正月に引いた御籤が凶だった事について、気にしてるというか、よくもまあココロがささくれる様なロクでもない事ばかりが起こるので、寧ろ御籤のせいに出来るなあ、などと思っている次第。実のところ宜しくない事の全てはオノレの至らさなさに起因している。俺があんなだったりそんなだったりしたら、全て被らなかった事象だろう。それを悔やんでも仕方が無いが、如何せんオノレの矮小さに胸は痛む。ああいっそこのまま、心臓も動くな。
ひとひらの温度に、とても救われる。同時に、それもまた失うのではないかと、俺はそんな事ばかりを考えている。
胸の奥から伸びようとする欲の芽を、次から次へ全て摘みとって、鉛の塊自体も丸く丸く削っていって、何にもかかわらず、窓も閉じ、ココロが揺らぐ事のない、無味で淡々とした余生を潰すのが、俺の身の丈という気もしている。完全にそれを許さない社会に生きているのもよく解っているから、尚のことそうして自身の門を閉じて光が入らない様に、最小限のことだけで生きる、くらいの気持ちがよいのかも知れない。それなりに元気にはやっている。行き場を失った感情が、まだ暫くくずぶっているだけだと、自覚もある。少し見えてきた輪郭を、また俺は触れようとしてしまうのだろうか。その澄んだ温もりを、俺はこの薄汚れた手で掻き混ぜて濁らせてしまうのだろうか。そんな日でも適当に淹れた紅茶は美味く、空は晴れ明日は来る。
だらだらだらけの馬鹿野郎、だけど674さは知ってる。赤貝