八王子夢美術館・水木しげる展

東京の西の方は弱い雨が降ったり止んだりしている。俺はというとそろそろ寝る時間も、何となく目が冴えていて無意味に思索の荒野を、ポケットに手を突っ込んで伏し目がちに散策している。
昨日は中野、新井薬師あたりを散策。その前に、八王子市街まで自転車で出向き、夢美術館で週末までやってた水木しげる展を観た。境港まで何度も足を運ぶ俺としても、敬愛して止まない水木センセイが家からチャリで10分の場所で見れるというのだから、これもまた巡り合わせというものだろうと。



しかしセンセイの絵はいつ見てもガツンとくる。ただ細密なだけではない、誇張と省略が絶妙に配分されていて、淡くて尚かつカラフルな色彩と相俟って、いつも俺の心を揺さぶる。現実の2個の目玉で写し取ってきた、確かな画角。いつかこんな絵が描ければと、いつまでも憧れてばかりいる次第。嗚呼、描こう。
展示の最後、水木センセイの人生絵巻に添えられたご本人のコメントが素晴らしかった。
「人生なんてのは屁のようなもので、出たらどこでも漂ってればいいんです」