8月の現状;大分編

さて大阪でもう1日、暫く振りに友人に会って3月の地震の話など伝えつつ、夕方別れて、仕事上がりのいつもの相棒と合流。そのまま大阪を出発、夜通し走り続けて、3時半くらいだったか、山口のビジネスホテルで1泊。充分な睡眠とは言い難いが、旅の最初に綺麗なベッドで寝る事は大事だ。で、翌朝はあほみたいに晴れて、下関を渡って九州入り。目指す大分県にも昼過ぎ位に到着。この日から3日間、日出(ひじ)という国東半島の付け根の僻地を拠点に、半島を隈なく巡る。




国東半島へは、以前にも行こうと画策した事がある。2009年のGWで九州の旅の際に、まずは九州の良さそうな場所を洗い出してみたところ、かなり初めの方で挙がったのが国東だった。結局九州はスポットが多すぎて県ごとに絞る形になり、この時は大分へは行かなかったんだが、そこから2年、遂に大分へ足を踏み入れる。これも最初は大分から瀬戸内海をなぞって下関、岩国、広島を巡る旅だったんだが、大分があまりに実力者なので企画変更、結局4日間ガチで大分を嘗め回す形になった(まあそれでも南の方は殆ど行けなかったんだけど)。

国東半島は、半島自体が巨大なひとつの山で、とにかく何処に行ってもひたすらにエヴァーグリーン。緑ばかりが勢いがある。どの寺も枯れ倒していていちいち凄い。山がちなのと真夏の晴天の高気温とで、ごっそり体力を持ってかれる。照りつける日差しと足元に濃く塗られた真っ黒な影。木陰に入れば蝉の大合唱と俺の血液を狙う藪蚊の群れ。そんな記憶ばかりだが実際旅の最中に目下起きている事といえばそれなんだから仕方がない。日差しが強すぎて、ファインダーを覗いてもよくわからないし液晶なんかまるで見えない。勘でシャッターを切る。カメラはえらいもんでちゃんと撮っておいてくれる。そんな訳で俺は旅の最中殆どオートで撮っている。そういう意味ではこれらの写真は誰が撮ったものなんだろう。まあ俺なんだけどさ。

しんどい時間なんだけど何故か終始笑っている。自分でもおかしいと思うが楽しいのだから仕方がない。夜は温泉に浸かり無理矢理体力を引き戻す。今回は思いっきりリゾートホテルだったけど、露天で湯船に寝っ転がって見上げる夜の空には、相変わらず希望や不安や色んな気持ちやどうでもいい事が鏤められていて、疲れで冷静でありつつ頭の中がパンパンになる感じがする。あー、とかいって温泉に浸かってるだけにしか見えないのだけど、人間は常に面倒臭くて面白い。まあ他人がどう思うかは知らんけど、俺は俺がちょっと楽しい。








↑石段でコケた瞬間。

この旅の思い出といえば、国東に点在する山寺を回ってて、メシ食おうとしたら全然飯屋がなくて、飯屋どころかコンビニもパン屋もなくて、とにかく食べ物が入手できないという状況に陥った(国東は本当に田舎で、例えば、1日の殆どの時間が携帯圏外だった)。自販機のコーラ飲んで、車の中探したら大阪出た時に買ったすっぱムーチョと駄菓子の小さい20円のドーナツがあって、それを相棒と分けて食った。勿論足りなかったんだけどやたらにうまかった。




夜、寺巡りを終えて、地元のおじいしかいない村営みたいな温泉に浸かって体力を回復しつつ、しかし空腹はどうにもならず、宇佐という街まで降りれば何かあるだろ、と移動。宇佐は確かにある程度の街(といっても比較対象が国東の山の中だが)で住宅も沢山あり、交通量の多い国道を選んで走る。確かに飲食店はある。が、リンガーハットとかなか卯とか、全国何処にでもあるチェーン店しかない。ここまで来て…という思いもあり、携帯で検索して当たった地元の鶏料理が食えそうな店に行ってみるが、どれも閉まっている。どうも8時には何処も終わりの様だった。仕方なく、チェーン店の軒並みの中からココイチを選択。15時間に渉る敵のないハンガーストライキの終焉は、ココイチだった。まあ、めちゃくちゃうまかったんだけど。


もうちょい続く。