おはよう世界2012


本年も在るべきものが在るべき姿で在ります様。
去年は震災もあり年始におめでとうという言葉が使いづらい、という話を聞いた。地震津波でそれこそ全てを失った方のお気持ちは想像すら出来ないが、しかし新年を迎えた事を慶びとして、不特定多数へ向けたもの或いは漠然とした“未来への思い”としておめでとうという言葉にするのは決して悪い事ではないと思う。勿論自分がそう思うから誰に対しても投げていい言葉とも今時点で思わないが、俺は2012年を迎えられた事を嬉しく思う。今年もよろしく世界。


今年の年末年始も実家にて過ごす。仕事納めまでの喧騒が嘘の様で、実家で流れる時間はゆっくりしていて、墓参りやら甥っ子の新年のあいさつ等は一応あるものの基本的には終始ぼーっとしていた。テレビを見る。八王子の我が拠点にはテレビがないので、CMなども面白く見れる。テレビは確かにそれなりに面白いのだけど、年に数回こうして眺めてるだけでいいなとは思った。お笑いの人達は熱くて面白い。

実家には猫がいる。自分が家を出てから居着いたのでいつまでも若いとばかり思ってたけど、いつの間にかぼくらも若いつもりが歳をとった。洗濯物を畳んでいると何故かをチェックしている様な目で見に来る。

年が明けてすぐ、ここ10年位行っている寺に初詣に行った。特に強く必ず行くと決めている訳じゃないが、ここまで続いていると行けるのであれば行きたいという気持ちにはなる。という訳で行ける環境だったので1時位に詣でる。特に何かがある訳ではない普通の寺なので賽銭を投げて手を合わせる。とにかくあちこちの寺社仏閣に行きまくる自分であるので実はあまり賽銭は投げないのだが、まあ正月だし、位の気持ちで。何を願ったかは書かない。まあ色々といい感じになるのがいいだろう。
御神籤を引く。半吉。初めて見た。どうやら大吉・中吉・小吉・吉・半吉・末吉という順らしい。吉より下だがとにかくレアらしいのでこれはこれでよしとしておく。今年は事あるごとに“半吉の男”である事を推していきたい。何だか解らんけど。






2日は少し出掛ける事にした。浜松から名古屋方面へ1時間程、岡崎へ。天満宮では鷽替えという神事をやっているところがいくつかあって、その鷽の人形を集めているのだけど、岡崎天満宮のそれは木彫りではなく陶器という珍しいもので、以前から欲しかった。ところが三箇日にしか配布してないとの事でなかなか機会がなかったのだけど、今回やっと時節が合うに至った。到着した岡崎天満宮は凡そ遠方から出向く程のもんではないこじんまりとした神社だったが、近隣だろう人々がそこそこ来ていて落ち着き感が心地よい、渋いところだった。鷽も入手。

岡崎から海の方へ1時間程移動、蒲郡へ。ガマゴオリと読むんだが相変わらず素晴らしい語感。蒲郡には竹島というプチ江の島みたいな島があって、それ以外は特に何がある訳じゃないんだがこの辺りでは割とメジャーな観光地らしく、まだ2日だというのに結構人がいる。ここには全国でも指折りの珍スポットである蒲郡ファンタジー館という、異常な量の貝殻で作られた竜宮城を見て回る狂気の施設があったのだが、残念ながらそれは一昨年潰れてしまった。今回の目的は(というか折角岡崎まで来たのでついでに何か見るかってだけなんだが)竹島水族館。子供の頃に一度来た事があって、子供心に小せえなあって思った記憶があって、さて今見たらどう思うだろう、というか今もあるのか、という興味で馳せ参じる。かなり老朽化していたがその水族館はあった。元旦から営業もしている。そして結構人がいて賑わっている。中はとても狭く、水槽の数も大きさも、そこにいる生物も大した事はないのだけど、その手作り感と身の丈の繁盛ぶりは心地よいものだった。身の丈に合っているかどうか、というのは近年自分の中でも重要なテーマで、その判断は難しいのだけど、大きめの公民館位の施設に、飾りっ気のない水槽で、でも人は沢山いて、これはこれで良いなあと思ったのだった。
どうでもいいけどここは何故か甲殻類、特にカニが充実している。生簀で触れるカニタカアシガニ触った。若い飼育員の女の子が説明しながら、棒で隅っこにいるイガグリみたいなカニを移動させていて、そのカニがあんまり逃げ惑わないで為すがままなのが何とも言えない不思議なグルーヴ感を醸し出していた。
この水族館は狭いのに奥にわざわざ展示室があり、そこにも大量の甲殻類の標本が。若干グロ注意でしたかねこれは。
水族館に隣接している土産物屋も凄まじいデス感で、商品といい陳列といい建物自体といい常軌を逸脱した“取り残され感”で、むおおと思いながら食らい付く。仮に今月中に水族館ごと無くなっても納得してしまう様な場所なんだけど、俺はどうもそういう所が好きだ、








東京に戻るのに指定席はとっくに満席で、でも自由席はガラガラという現象がたまに起こるが、今回もそうだった。年末に買ったはいいが全然触ってなかった3DSをいじってたらあっという間に新横浜。八王子は温暖な浜松から比べるとぐっと寒い。仕事締めからすぐ翌朝に実家へ行ってしまったので、掃除だの洗濯だのをして休みを終える。



さて今年なんだけど、特に今年はと思う様な事はなくて、いつも思っている事を少しずつ、形にしてゆく。毎年そんな事言ってるのがどうにもだけど、意外とそれは容易くはないしそして出来ない事でもないと思っている。またいつもの日常に撒かれながら、現在位置の確認だけは怠ってはならない。



今年初iPodeastern youthの「ドッコイ生キテル街ノ中」にした。
日々は全てが相変わらずで、それでいて輝き返し続ける。赤貝