歩く速度の風景


今週もあたふたと忙しみの中で埋没して、何とか辿り着いた金曜の夜。これを50何回か繰り返すと1年がまた過ぎてしまう。
時々思う事なんだけど、生まれ変わるとか過去に戻れたらとか、そこまで飛んでなくても面子が変わればなあとか、仕事とか環境を変えてとかいう事に関してずっと疑念がある。本当にそれしかないというところまで煮詰まらない限りは、なるべく現在位置で掘り下げる様にずっと考えてきた。それは、結局生まれ変わろうが何処の時点に戻ろうが、環境が変わろうが面子が変わろうが俺は俺でしかなくて、きっと同じ事を繰り返すと思っているからだ。単にネガティブな意味ではなくて、今ある事への掘り下げもろくにしないで、上手くいかないのをリセットしようとする事がどうしても愚かな逃避行為にしか思えない。リセットが必要な時があるのは確かだけど、過去の自分の価値観まで否定する様な事を、俺はなるべくしたくない。あくまで自分に向けた考え方だけど、今目の前にある事をどうしていくかをいつも考えているし、ずっと穴を掘り続けている気持ちでいる。安直な答えを持つ気もないが、答えを出す事を安直に放棄したくもない。
世の中には頭の悪い奴がいるもんで、こんな事を考えているのも曲解され、何なら糾弾されたりすらするのだけど、俺は俺以外をどうこうしようなんて思わないし、そもそも興味がないし、全く溜息しかない。裸足で糞を踏んで欲しい。
その穴は毎日少しずつ掘り続けて、すっかり形も整ってきた。今更覗き見しようたって、この穴は温度もあるし燃料も出るし、真っ暗な様でいてよく見るといろいろなものが漂っていてそれを目で追うのは面白いし、外からの音は届かないから鼓膜の疲れをとる事も出来る。とても大事なものだから見せる気はない。ほらもう何言ってるか解らないでしょう。また拡げたくなってきちゃった。2012年1月20日深夜、赤貝